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2016年9月11日日曜日

子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト・郡山が、「県民健康調査・甲状腺検査に関する要望書」を提出

「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト・郡山」の共同代表・根本淑栄さんと、県内に住む母親3名の計4名は9月1日、福島県庁を訪れ、「県民健康調査・甲状腺検査に関する要望書」を提出した。
県側で対応したのは、保健福祉部県民健康調査課・主任主査の福島秀行氏ら。
福島県での甲状腺検査規模縮小の動きを受け、こどけんが8月23日に要請書に対する賛同を呼びかけたところ、わずか1週間で国内119団体、海外5団体の合計124団体から賛同が集まった。
(県民健康調査・甲状腺検査に関しての要望書の提出についての賛同のお願い http://kodomo-kenkotomirai.blogspot.jp/2016/…/blog-post.html
要望書を提出した根本さんは、
「短期間にこれだけ多くの団体が賛同してくれたということは、いま甲状腺検査を縮小することが、いかにおかしいかを理解してくれたということ。福島県の子どもが置かれた状況を、多くの人に知っていただけたことがなにより意義があった」
と述べた。
要望書を受け取った県の主任主査の福島氏は、
「今日は、要望書を受け取るだけ。意見をじっくりうかがう時間はない」と繰り返し、「県としては、甲状腺検査を縮小するつもりはない」と述べるにとどまった。双方のやりとりは、わずか10分程度だった。
このあと私が、県の県民健康調査課を訪ね、この日、要望書受け取りの際に姿を見せなかった小林弘幸課長に、
「規模を縮小するのか?」と尋ねたところ、
「県としては、多くの方に受けていただきたいと考えている。規模を縮小するつもりはないが、検査を受けることでデメリットが生じるという意見があるのも事実。そこがむずかしいところですよね〜」と述べ、「今後、どうするのかは、検討委員会等で議論してもらう」と明言を避けた。
 しかし、「規模を縮小するつもりはない」という発言とはうらはらに、県が発行している「甲状腺通信」の最新号(2016年8月発行)には、
 『今回より、検査を受けることに「同意します」「同意しません」のどちらかに印をつけていただく欄を設けました。「同意しません」を選択された方には、その回の検査について、受診のご案内を追加でお送りすること(受診勧奨)をいたしません」
 と記載されている。
 県としては、〝受診を勧める〟つもりはないらしい。
 さらに、同パンフレットには、わざわざ
「甲状腺検査は必ず受診しなければならないのでしょうか」というQAが設けられており、その答えには、
「将来にわたって体にダメージを与えないかもしれない甲状腺がんが多数発見される可能性が指摘されている」
として、あたかも検査を受ける必要がないかのように記されている。
前出の根本さんは、
「これを読んだ子どもたちは、検査を受けなくてよいと思ってしまう。手術を受けた子どもたちのなかには、病状が深刻なケースもあると聞いている。手遅れになるより、検査を受けて安心できたほうがいい。ただでさえ、子どもが大きくなるにつれ、親が検査を受けろと言ってもきかなくなるので、県はもっと検査の重要性を説明し、受診を勧めてほしい」
と、述べ、検査を受けることで得られるメリットも説明すべきだと、話した。
検査の在り方などを専門家らが話し合う「県民健康調査検討委員会」は今月14日に開かれる。ここでの県の対応に注目したい。