「ママレボ通信」では、「ママレボ」の雑誌には掲載されなかった、日々の取材でのこぼれ話やレポートをアップしていく予定です。

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2012年5月24日木曜日

【ガレキ広域処理】 ~私はこう思う~元東京都環境局 藤原寿和さん


市民が選択できる体制づくりを
(廃棄物処分場問題全国ネットワーク 共同代表 藤原寿和)

 今回の震災で生じたガレキに、「100%放射性物質が付着していない」ということはありえません。
 たとえ、ひとつひとつのガレキの汚染度が低くても、あれだけの量を「燃やす」となれば、排ガスに含まれる有害物質の総量は増えるでしょう。放射性物質だけでなく、ダイオキシンなどについても心配です。

 本来は、こうしたリスクを考慮して、原子炉などにも使用されている高性能のフィルターを、焼却炉に設置しなくてはならないと思います。そして、有害物質がもれ出していないか、常時モニタリングしていく必要があるのです。

 しかし今回は、いっさいこうした手順を踏まないで、市民の了解も得ずに国や県が勝手に進めてしまった。そこに問題があります。

 そもそも諸外国では、「焼却」自体を禁止している国も多いのですから、もっとさまざまな方法を検討すべきです。

 たとえば、焼却ではなく炭化処理方式の採用や、防潮堤として埋めたてる。最近ではセシウムを吸着・分離する技術開発も進んでいるようですから、そういった方法も組み入れられるかもしれません。

 まずは、行政が何パターンもの方法を提示し、それに専門家や市民が加わって議論する。安全性・コスト面など総合的に考えて「どれを選択するか」は、最終的に市民が決定するのです。
 この震災を機に、こうした住民自治の体制づくりが急がれています。


プロフィール
藤原寿和
 東京都環境局に勤務するかたわら、ダイオキシンや化学物質による公害根絶活動に取り組む。201265歳離職後、脱原発・被災者支援・放射能汚染測定活動に力を入れている。



2012年5月23日水曜日

【ガレキ広域処理】 ~私はこう思う~東京都大田区議員 奈須りえさん


本日は、大田区議の奈須りえさんです。

■被災地は広域処理を望んでいない
(東京都・大田区議員 奈須りえさん)

 5月初旬に、宮城・岩手を視察し、いくつか分かったことがあります。 
 一番問題だと感じたのは、「広域処理にかかるお金の一部は被災地が負担しなくてはならない」ということです。

 全額、国負担と思われてきたガレキ処理費用ですが、95%は国が補助し、残りの5%は“起債”といって、ガレキを処理してもらう自治体が、借金して支払わなければなりません。

 平成24年までは、5%の起債分も国が全額負担することになっていますが、平成5年以降は、全額国から補助される保証はなく広域にガレキを運べば運ぶほど、負担がかさむことを被災自治体は心配しています。

 ガレキ受け入れが支援と思っているのは「受け入れ自治体だけ」財政負担はまったくなく、逆に補助金がついてくるようなものですから気楽です。

 現在、宮城・岩手両県は、林野庁に対して、ガレキを「森の防潮堤」のマウンド材として利用できないか検討してもらっていますし、仮設焼却炉で広域処理分を受け入れたり、県内施設の余力を調査したりして、現地で処理できる体制を整えつつあります

 
宮城県は、423日に自治会権を行い、「広域処理量は思ったより少なくなる」と表明しています。
 被災地のためになすべきことは、被災地の財政負担になる「ガレキの受け入れ」ではなく現地が望む支援策を講じていくことではないでしょうか。



プロフィール


 奈須りえ
東京都大田区議員。当選以来、ゴミ問題、アスベスト問題などの環境問題に積極的に取り組む。ガレキ広域処理反対のオピニオンリーダーとして注目されている。現在3期目。



(明日は、元東京都環境局職員の藤原寿和さんです

2012年5月22日火曜日

【ガレキ広域処理】 ~私はこう思う~環境ジャーナリスト 青木泰さん


次号の「ママレボ」(6月1日配信予定)の特集2では、東北を取材し、ガレキの広域処理について考えてみました。

 ブログではひとあし先に、ガレキ問題に詳しい3人の専門家に、広域処理量の問題と今後の課題をお聞きした内容をご紹介します。本日は、環境ジャーナリストの青木泰さんからのコメントです。

 詳しくは、次号の「ママレボ」に掲載しますので、みなさまご予約ください!
 

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■ガレキではなく、人を受け入れる
 (環境ジャーナリスト 青木泰さん)

 僕は、ガレキではなく「人を受け入れる」ことが、最良の方法だと思っています。
 九州や北海道といった汚染の少ない土地に人を受け入れて、そこで安全な食べものをつくってもらう。そしてそれを、関東や東北に送る。それこそが、被災地の手助けになるのではないでしょうか。

 ガレキに関しては、環境省が言うように「安全」なのであれば、なおさら被災地で処理をしたほうがいいと思います。高い運送費に税金を使うより、現地で処理をすることによって地元にお金を落とすことができるからです。

 ただし、「燃やす」ことについては、僕も非常に心配をしています。なぜなら、国は「何ベクレルまでのガレキなら燃やしていいのか」という規制値を決めていないからです。
 今、国が定めている規制値は、ガレキを焼却した後に生じる焼却灰の埋めたて基準(8000ベクレル/㎏以下)だけ。僕はこれを、“おしり規制”と呼んでいます。

 たとえば、毒物の致死量を表示する場合、「おしりから○ミリグラム以上出てきたら死にますよ」とは言わないですよね。口から摂取する量で規制するのが常識です。

 だから僕はこれまでも、環境省に対して「燃やすならば、環境や人体に影響のない規制値を決めてください」と言ってきました。それが決められないなら、焼却はすべきではないと思います。

 たとえば「森の防潮堤」のような案は、とても面白い。安全性に関しては、検証する余地があると思いますが、日本には優れた専門家がたくさんいますから、知恵を結集してのぞめば良い案はたくさん出てくると思いますね。




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プロフィール

 青木泰
 環境ジャーナリスト。「NPO法人ゴミ問題5氏連絡会」「環境行政改革フォーラム」など多数の幹事を務めている。著書 『空気と種物の放射能汚染』(リサイクル文化社)ほか。



(明日は、東京都大田区議員 奈須りえさんです)



2012年5月20日日曜日

ママレボ6月号の予約を絶賛受付中です!



ママレボ6月号の予約を絶賛受付中です!冊子の印刷費を捻出するためにも、ご予約いただけるとうれしいです(^^;)
どうぞ、ご近所のママ友さんにお知らせくださいね~!

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・特集1 給食について考えよう!測定について知っておこう!

給食について各地で保護者が声を上げている。給食の問題点は何か、測定の問題点は何か―。
3.11からの給食安全プロジェクト」のキックオフミーティング、測定の現場で日々放射能の数値と向き合っている分析者らを取材し、また、「シンチとゲルマで測定したお米の数値の差」「汚染シイタケ入り煮物と入っていない煮物の測定値」など、実験結果も掲載。

・特集2 【ガレキ広域処理を考える】被災地の声を聞き、第三の道を考えよう!
 
ガレキ受け入れ「賛成・反対」をめぐり、各地で意見の対立が起きている。被災地のガレキを広域に  運び、「焼却」するという方法が、安全面や経済面から考えてベストなのだろうか――。
 被災地の声や専門家の意見を聞きながら、受け入れ賛成でも反対でもない“第三の道”を探った。

・特集3 被ばく医師 肥田舜太郎先生 ヒロシマ・フクシマを語る

命の主人公は自分。一生懸命、長生きしましょう。
孫やひ孫のために、原発を止めましょう

自らも広島で被ばくし、その後長年にわたって被爆者を診続けてきた医師が送るメッセージ。

・市民の取り組み 
郡山の学校では、子どもたちが屋外活動を制限する「3時間ルール」が取り払われてしまったが、いまだあちこちでホットスポットが見つかっており、子どもを持つママたちは苦悩し続けている。
このレポートでは、郡山で開催された健康相談会から見えてきた、被災地が抱える深刻な問題を追った。


                         他多数。ご期待ください!



2012年5月7日月曜日

イベント情報をお寄せ下さい!

ただ今、ママレボ編集チームでは、6月初旬から7月末までのイベント情報を募集しています。
皆さまの地域で、「食の安全に関する勉強会を開く」とか、「放射能についての講演会を開く」といった催しを企画しておられる方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報をお寄せください。
6月初旬に発行予定の「ママレボ」に掲載させていただく予定です。

情報をお寄せいただく際には、以下について明記してくださいね。

・イベントタイトル
・日時
・場所
・料金
・問い合わせ先
・イベントの内容(50文字くらいまで)
・URL(あれば)

ご連絡の際には、件名を「イベントカレンダー掲載」としていただき、
info.momsrevo@gmail.com までお願いします。

皆さまからの情報、お待ちしております!

※掲載スペースが限られておりますため、お寄せいただく情報が多い場合は、掲載できないことがあるかもしれません。その旨、ご了承頂けますと幸いです。